【換気システムのメリット/デメリットまとめ!【結論】ノーメンテ/フリーメンテは存在しない!】
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こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている工務店・ハウスメーカーの方にも「タメ」になる情報をお届けします。
第1種換気と第3種換気の違いとは?メリット・デメリット完全比較
戸建て住宅で採用される24時間換気システムは、主に第1種換気と第3種換気の2種類です。どちらを選ぶかで、初期費用・月額電気代・快適性・メンテナンス手間が大きく異なります。
本記事では、建材メーカー視点で、実測データに基づき各システムの本当のメリット・デメリット、後悔しない選び方を解説します。
| 項目 |
第1種換気 |
第3種換気 |
| 給気 |
機械 |
自然 |
| 排気 |
機械 |
機械 |
| 熱交換 |
あり(80%) |
なし |
| 初期費用 |
80~150万円 |
40~60万円 |
| 月額電気代 |
3,000~5,000円 |
300~500円 |
| 気密性能(C値) |
1.0㎠/㎡以下 |
1.0㎠/㎡以下 |
| 向く地域 |
寒冷地向け |
温暖地向け |
※月額電気代は24時間連続稼働時の目安値です
目次 [表示させる]
第1種換気は、給気・排気の両方を機械で行い、熱交換器で温度・湿度を調整する換気システムです。
排気する空気から熱や湿気を取り出し、給気する空気に移すことで、真冬や真夏でも室内の快適性を保つことができます。
| メリット |
具体的な効果 |
こんな人向け |
| 1. 室温・湿度が安定 |
熱交換率80%で真冬も暖かい空気を給気。室内温度を一定に保つ |
北海道・東北などの寒冷地住まいの方 |
| 2. 安定した換気 |
給排気を機械制御で気圧を一定に保つ。高気密住宅でもドアが開けやすい |
気密性能を高めた高性能住宅を建てる方 |
| 3. 冷暖房費削減 |
熱損失を最小化。排気の熱を給気に戻すため、冷暖房の効きが良くなる |
ランニングコストを長期的に節約したい方 |
メリット詳細解説
1. 熱交換があれば室内温度や湿度を一定に保てる
第1種換気は熱交換器を付けることで、排気から熱や湿気を取り出し給気した空気へ移せるため、真冬や寒冷地でも暖かい空気を、真夏には涼しい空気を給気することが可能です。
室内温度を一定に保てるため、真冬や真夏には冷暖房費の節約にもつながります。
2. 安定的で効率的な換気ができる
第1種換気は機械で給排気するため、室内の気圧を一定に保ちます。
超高気密な家でも扉が重くなって開けづらいなどのトラブルもなく、安定して換気できるのが魅力です。
| デメリット |
具体的な問題 |
対策 |
| 1. コスト高い |
初期費用は第3種の2倍。月の電気代が3,000~5,000円かかる。40坪超えは2台必要な場合も |
・長期で見た冷暖房費削減で回収を検討
・ローン計画に組み込む |
| 2. 汚染空気リスク |
熱交換時に排気の汚染空気(ホルムアルデヒドなど)が給気に混ざるリスク |
・事前にメーカーに確認必須
・フィルター品質を確認 |
| 3. 設置位置が重要 |
本体設置場所が10℃だと、80%熱交換でも8℃の冷気を給気してしまう |
・設置場所の室温を20℃以上に保つ
・設計段階で位置を入念に確認 |
デメリット詳細解説
1. イニシャルコスト・ランニングコストが多くかかる
第1種換気を設置する際に、大きなデメリットとなってくるのがコスト問題です。
第1種換気は給排気を機械で行うため、給排気の機械そしてそれらをつなぐダクト、熱交換器が必要になります。排気のみ機械で行う第3種換気と比較すると、単純に倍のコストがかかってしまいます。
また、40坪を超える家に設置する場合には2台必要になってくる場合もありますので、家が大きければ大きいほど負担も増えてしまうでしょう。
ランニングコストでは、月の電気代が3,000~5,000円程度になり、月額300~500円で賄える第3種換気と比較してコストの負担は大きくなってしまいます。
2. 汚染空気がリターンする可能性がある
第1種換気の中でも、全熱交換型は空気中の水蒸気から熱を回収してそれを室内側へ戻すという優秀なシステムです。
優秀な反面、熱を回収した際に取り込んだホルムアルデヒドなどの化学物質や汚染された空気が、給気に混ざってしまうリスクがあります。
最近ではこのような問題もほとんどありませんが、第1種換気を設置するのであれば念のため工務店さんに、このような問題について心配はないか確認するようにしましょう。
3. 設置位置によっては冷気・熱気が送られてくる
第1種換気の本体排気型を選ぶのであれば、設置位置をよく考えておかないと熱交換器が付いていても冬に冷たく、夏に暑い空気が給気されることもあります。
例えば、設置した場所の室温が10℃だった場合、8割の熱交換を行ったとしても給気される空気の温度は8℃です。
元の空気が冷たいので、熱交換器を通しても冷気になってしまいます。
逆にパワーコンディショナーなどの発熱するような機器の近くに設置してしまうと、真夏に30℃以上の熱気を室内に給気してしまうかもしれません。
もし、第1種換気の本体排気型を選ぶのであれば、本体の設置位置をよく考えて置く必要があります。
第3種換気は、自然に給気し、機械を使って排気していく換気システムです。
給気は自然気流(建物のスキマや給気口から)で行われ、排気のみ機械ファンで行うため、初期費用とランニングコストが低く抑えられます。
| メリット |
詳細 |
こんな人向け |
| 1. 初期費用が安い |
第1種の約半分の40~60万円。排気のみ機械化だから部品点数も少ない |
予算を抑えたい方、温暖地にお住まいの方 |
| 2. ランニングコスト最小 |
月額電気代は300~500円程度。24時間稼働でも負担が少ない |
月々の固定費を削減したい方 |
| 3. メンテナンスが簡単 |
半年~年1回のフィルター清掃のみ。第1種のような複雑な清掃不要 |
手間をかけたくない方、シンプルな運用希望の方 |
メリット詳細解説
1. イニシャルコストが安い
第3種換気は給気のみ自然に行うため、第1種換気と比較してイニシャルコストを安く抑えられるのがメリットです。
また、消費電力も安く24時間使っても月々の電気代は300~500円程度でおさまります。
2. メンテナンスが簡単
メンテナンス面でも第3種換気はおすすめです。
フィルターのない機器であれば、住んでいる立地などによっても変わってきますが、半年から1年に1回程度のメンテナンスで性能を維持できます。
また、掃除する箇所がフィルターと本体のみなので、第1種換気よりも少なくて済みます。
| デメリット |
具体的な問題 |
対策 |
| 1. 熱損失が大きい |
排気する空気から熱を回収しないため、暖かい空気をそのまま排気。寒冷地では暖房費が増加 |
・温暖地での採用を推奨
・気密性を高める |
| 2. 給気で寒冷感 |
冬は外気が直接入るため、給気口付近が冷える。冷気対策がないと結露の原因に |
・給気口の冷気対策を確認
・給気口位置に注意 |
デメリット詳細解説
1. 排気による熱損失が大きく寒冷地で不利になる
第3種換気は第1種換気とちがい、排気する空気から熱を取り出し再利用することができません。
なので、熱をもった空気をそのまま排気してしまうこととなり、排気した時の熱損失が非常に大きいのがデメリットです。
東北や北海道のような寒冷地では、暖房費が少しあがってしまったり、寒さを感じてしまったりするかもしれません。
2. 冬は給気で部屋を寒くさせてしまう可能性がある
第3種換気は直接外気を入れることになるため、冬や寒冷地では排気の時だけではなく給気した際にも寒さを感じてしまうかもしれません。
もちろん冷気対策ができているメーカーありますが、できていないメーカーもあります。
冷気が入り、給気口や給気口付近の壁が急激に冷やされてしまうと結露を引き起こしますので、第3種換気を検討している人は、給気口の冷気対策はしっかりされているかをよく確認するようにしましょう。
第1種換気、第3種換気のどちらを選ぶべきか、判断するためのフローをご紹介します。
■ あなたに合う換気システムは?
Q1. 北海道・東北などの寒冷地に住んでいますか?
YES → 第1種換気推奨
理由:熱損失が大きく、冷暖房費が跳ね上がるため、熱交換機能が必須
NO → 次へ
Q2. 初期費用を重視しますか?
YES → 第3種換気推奨
理由:初期費用は約半分(40~60万円)、ランニングコストも300~500円/月で低い
NO → 次へ
Q3. メンテナンスの手間を最小限にしたいですか?
YES → 第3種換気推奨
理由:フィルター+本体のみで、半年~年1回のメンテナンスでOK
NO → 第1種換気推奨
第1種換気ダクトレス・第3種換気ダクトレスはダクト配管にかかるイニシャルコストを削減し、ダクトのメンテナンスの負担もなくなるため、イニシャルコスト面で1番負担が少ない換気システムです。
ただし、性能面では問題点の多い換気システムでもあります。ここでは、どこに問題があるのかをみていきましょう。
ダクトレス換気の3つの問題点
| 問題点 |
具体的な課題 |
対策 |
| 1. 風圧に弱い |
強風で換気扇が停止・逆流。高気密住宅では換気量が半分(15㎥/h)に低下する場合も |
ターボファン・高静圧ファンを選択 |
| 2. ショートサーキット |
給気と排気のダクト経路が不明確で、空気が家全体を通らずショートサーキット(短絡)発生。必要換気量が確保できない |
ダクト式の第1種・第3種を推奨 |
| 3. 冷気対策不足 |
外気が直接入るため、冬の給気口内で結露が発生する低品質な製品もある |
冷気対策済みメーカーを要確認 |
問題点の詳細解説
1. 風圧などの影響が大きく換気量が不安定になりやすい
排気の際に使用する壁付けファンには、一般的にプロペラファンが利用されますが、プロペラファンはパワーが弱いため強風時は換気扇が止まってしまったり、逆流してしまったりするといった問題があります。
また、家の気密性能が高いと、室内圧(負圧)にファンのパワーが負けてしまい、換気量が通常の半分ほどになってしまうのです。
平成16年11月の北海道住宅新聞の記事では、室内圧がかかった際に検証したごく普通のパイプファンの換気が半分の15㎥/hという結果が掲載されていました。
必要換気量の目安は家族1人につき30㎥/hです。計測結果のような15㎥/hでは1人分にまったく足りていないことがわかります。
このような問題を解決するには、通常のプロペラファンではなく、ターボファンや高静圧ファンなどパワーの強いファンを選ぶことがポイントです。
ただし、数値上で必要換気量がとれても、局所的な換気となるためダクト式のように家全体をしっかり換気するのが難しい場合もあります。
2. 換気経路があいまいで必要換気量の確保が難しい
ダクトがないことで換気経路があいまいになってしまうのも、ダクトレス換気の問題点の1つです。
例えば、排気口を家の北側に設置し、給気口を反対側の南に設置することで、家の中を空気が通り抜けるような換気経路に設計していても、気密性能の低い家では設計された換気経路を外れ、排気口の近くのスキマから給気し、家の中を通らずに排気されてしまうことがあります。
このような現象をショートサーキットといい、排気された空気が給気にまざったり、特定の場所でしか空気が動かず排気されない空気が室内に留まり、汚染濃度が上がってしまったりします。
ショートサーキットにより、換気経路が乱され必要換気量がとれなくなると、結露によるカビやシックハウス症候群を招きます。
3. 冷気対策ができておらずファンの中で結露する可能性がある
ダクトレスの第3種換気では、外気が直接入ってくるため冬や寒冷地では寒さを感じてしまう可能性があります。
多くのメーカーでは冷気が直接入ってこないようなフィルターや対策のとれた形状にしていますが、安価なものだと冷気が直接入ってきてしまい、なかには給気口内で結露する問題も発生しています。
第1種換気と第3種換気に関して、実際にお客様からいただく質問とその回答をご紹介します。
A. 家の容量に合わせた必要換気量(0.5回/h)を確保できていれば、第1種換気でも第3種換気でも健康で快適な生活を送ることができます。
必要換気量をしっかり確保するには、以下が重要です:
- 換気設計:給気口・排気口の位置が適切か
- 気密性能:C値が1.0㎠/㎡以下であるか
- 実測確認:引き渡し前に換気量測定で確認すること
💡 重要ポイント:
引き渡し前に、必ず換気量測定を実施してもらい、目標値(1人30㎥/h × 家族数)を達成しているか確認しましょう。これが健康で快適な住まいの最大のポイントです。
【関連記事】24時間換気システムを止めてはいけない理由|シックハウスになりやすい家の特徴とは →
A. 常に24時間換気を止めなければ、風が出入りするため基本的にカビが生えることはありません。
ただし、以下の場合はカビ発生のリスクがあります:
| リスク原因 |
メカニズム |
対策 |
| メンテナンス不足 |
給排気バランス崩れ→ダクト内に湿気蓄積 |
3ヶ月ごとにフィルター清掃 |
| 長期間停止 |
24時間換気OFF→結露→カビ |
常時稼働を維持(冷房時も) |
→ ダクト内の汚れが心配な場合は、排気のみダクトを使用するダクト式第3種換気がおすすめです。
A. 給気口にはフィルターが付いているため、虫が侵入してくることはありません。
ただし、以下の2つの条件で虫が侵入する可能性があります:
| 侵入経路 |
原因 |
対策 |
| 給気口から |
何年もフィルターを掃除しないままだと、劣化したフィルターのスキマから侵入 |
3年ごとにフィルター交換 |
| 排気口から |
24時間換気を長期停止すると、排気口から侵入される |
常に24時間換気を稼働させる |
→ フィルターを清潔に保ち、24時間換気を常に稼動させることで虫の侵入を阻むことができます。
A. 第1種換気のほうが気密性能が重要ですが、どちらもC値 1.0㎠/㎡以下が実務上の目安です。
| 換気方式 |
理想C値 |
理由 |
実務上の目安 |
| 第1種換気 |
0.09㎠/㎡ |
給排気の両方が影響 |
1.0㎠/㎡以下 |
| 第3種換気 |
0.36㎠/㎡ |
排気のみなので影響が少ない |
1.0㎠/㎡以下 |
※北欧住宅研究所「気密性能と換気計画」より、内外温度差30℃時の検証値
💡 実務ポイント:
理想値は難しくても、実務上はC値 1.0㎠/㎡以下であれば計画通りに24時間換気が稼働します。工務店に「実績のC値」「測定方法」を必ず確認しましょう。
【関連記事】第1種換気と第3種換気に必要な気密性能(C値)を徹底解説! →
今回は第1種換気と第3種換気のメリット・デメリット、ダクトレス換気の問題点について詳しく解説しました。
重要なポイントをまとめます:
- 第1種換気は、初期費用は高いが、寒冷地や快適性重視ならメリット大。月5,000円の電気代が必要
- 第3種換気は、初期費用と運用コストが安く、メンテナンスも簡単。温暖地向け
- どちらを選んでも、気密性能(C値 1.0㎠/㎡以下)と換気設計が成功の鍵
- ダクトレス換気は、コスト面では安いが、性能面で課題あり。ダクト式を推奨
最も大切なのは、設置した24時間換気がしっかり稼働しているかを確認することです。
スキマだらけの家では、どれだけ高性能な換気システムを選んでも、換気経路が乱されて必要換気量をとれないこともあります。
換気システムを選ぶ際は、工務店に以下の点を必ず確認してください:
工務店への確認チェックリスト
- □ C値の実測値は?(目安:1.0㎠/㎡以下)
- □ 過去のC値実績は?
- □ 気密測定方法は?(JIS A 2015規格に準拠しているか)
- □ 換気設計図は?(給気口・排気口の位置が明確か)
- □ 引き渡し前に換気量測定を実施するか?(必須)
換気システムにお悩みの方へ
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