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こんにちは、日本住環境 イエのサプリ編集部です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
住宅価格の高騰を受け、新築ではなく中古住宅を選択する方も増えています。中古住宅の購入ではリフォームやリカバリー前提になるため、新築にはない特有の落とし穴が存在します。
今回「イエのサプリ」では、奈良県にある築26年の大手ハウスメーカー住宅の気密性能を調査しました。 施主のバンビさんは自ら電気工事士の資格を取得しリカバリーに励んできましたが、気密測定の結果はC値3.7㎠/㎡。

今回のブログでは、熱心にリカバリーしても改善しきれない中古住宅のスキマがどこにあるのか、中古住宅を購入する際の注意点などを紹介します。
目次 [表示させる]
中古住宅を購入する際に注意すべき「根太工法」とは
C値=3.7㎠/㎡の原因を探るべく、熱画像カメラとフォグマシーン(煙でスキマを可視化する装置)を用いて調査を行っていきます。
その結果、1階廊下の巾木から大量のスキマ風が発生していることが判明しました。

この大量のスキマ風の原因は、床下の断熱気密欠損です。 通常なら気密テープや発泡ウレタンでスキマを埋めれば解決しますが、問題はバンビ邸で採用されている「根太工法」という構造にあります。
根太工法とは、大引と呼ばれる太い木材の上に、根太を直角に並べて床板を支える昔ながらの工法です。

最近の新築では、厚い合板で床を支える「根太レス工法」が主流であり、根太工法を見かける機会は減っています。

根太工法は通気性に優れる反面、断熱材と根太の間にスキマができやすく、気密がとりにくいのが特徴です。

床下に大きなスキマがあると足元が冷えるだけでなく、冷暖房代が嵩んだり床暖房が効かなくなってしまったりします。
リカバリー前提で中古住宅を探すなら、「工法」によって気密性能のとりやすさが左右されることは必ず念頭に置いておきましょう。
根太工法のリカバリー方法はある?
根太工法において根太の厚みより断熱材が薄い場合、その段差がすべて熱欠損になってしまいます。

熱欠損をなくすには根太の厚み分、断熱材を敷き詰めた上での気密処理が必要です。具体的には、プラスチック系のボード断熱材を地上でカットし敷き詰めていく方法が挙げられます。

※イエのサプリ編集部では、リカバリーを含め施主自らの気密処理を推奨しているわけではありません。ご自身で施工する前に、契約した工務店やハウスメーカーなどの専門家に相談しましょう。
床下の気密処理についてもっと知りたい方は、以下の動画も参考にしてみてください。
中古住宅はリカバリーで快適になる?気密性能を徹底調査
すでにリカバリーが進んでいるバンビ邸で、他に改善すべきスキマがないか、さらに詳しく断熱・気密欠損を調査しました。
2階天井の断熱性能
まずは2階の天井です。バンビ邸では、元々50mmだった小屋裏の断熱材を250mmまで付加しています。

この丁寧なリカバリーにより、熱画像カメラでも天井の温度が均一に保たれていることが確認できました。

2階天井のキワ
面としての断熱は問題ありませんでしたが、天井の「キワ」を調査すると局所的な温度差を発見しました。

これはプラグなどの配線設備まわりの気密処理が不十分で、間仕切りや気流止めの処理も正しくできていない可能性があります。
母屋下がり
さらに、構造的にリカバリーが難しい「母屋下がり」では、部分的な気密欠損が見られました。

母屋下がりとは天井の一部もしくは全体が斜めになっている屋根で、建築基準法の高さ制限をクリアするために設けられることもあります。

母屋下がりは「屋根断熱」になり、天井断熱を採用している家では断熱気密処理がより複雑化します。さらに、壁との断熱気密ラインの連続性を保たなければいけないため、スキマができやすい構造といえます。
バンビ邸でも、105mm角の柱が通る箇所などで断熱気密欠損が確認されました。

中古住宅に母屋下がりがある場合は、リカバリーが難しく断熱気密欠損が起きやすいことは念頭に入れておきましょう。
1階キッチンの配管まわり
1階ではフォグマシーンを使い、室内のどこにスキマがあるのかチェックしました。
調査開始直後、キッチン一体型の食洗機から大量の煙が噴き出してくるのを確認できました。

配管まわりのリカバリーは済んでいるという話でしたが、床下につながる食洗器の配管の気密処理に漏れがあるようです。
中古住宅を買って失敗しないためのコツ【施主インタビュー】
バンビ邸はC値=3.7㎠/㎡と数値上ではあまり高気密と言えない結果になりましたが、空気が循環しやすい間取りのおかげで、夏でも一階のエアコン1台とサーキュレーターで快適に過ごせているそうです。

ただ、中古住宅購入直後はリカバリーも進んでおらず、冬の電気代が44,000円に達することもあったそうです。

当時は床下の断熱材が浮いており、床暖房がほとんど機能せず足元が寒いなどの問題もあったそうです。床下のリカバリーをしてからは電気代が1万円程安くなったとのことで、中古住宅で快適な生活を送るには一定の住宅性能やリカバリーの必要性が伺えます。
最後に中古住宅を購入する際に失敗しないための秘訣をバンビさん夫婦にインタビューしたところ、「住宅性能も大事だけど、優先順位を決めて買い物をする。優先順位上位の項目を満たすことで結構いい買い物ができる」「完璧を求めない」と答えてくれました。

まとめ
中古住宅の購入は、予算を抑えて理想の住まいを手に入れる1つの選択です。後悔しない選択のために、ぜひ今回のブログや動画を参考にしてください。
また、インタビュー中、バンビさんは「リフォーム初期に知識があれば、お風呂の交換時に床断熱から基礎断熱に変えるよう依頼できたのに」と後悔する声もありました。 中古住宅はリフォームやリカバリーが前提になるため、 あらかじめ住宅性能の知識を持っておくことで、リカバリーしやすい家を選び、より質の高いリフォームを実現できます。
「イエのサプリ」では、気密性能を中心に住宅性能に関する知識をブログや動画で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連動画
【大手ハウスメーカー】中古戸建ての性能を丸裸にしてみた/施主の本音in奈良