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こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。
このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。
これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。
※イエのサプリ編集部では、リカバリーを含め施主自らの気密処理を推奨しているわけではありません。ご自身で施工する前に、契約した工務店やハウスメーカーなどの専門家に相談しましょう。
イエのサプリでは、施主の方々によってリカバリーされた住宅を数多く調査してきました。今回は、気密リカバリーを専門にしているミエル化ラボとコラボし、プロによる気密リカバリー前後でどの程度気密性能が変わるのかを調査しました。
この記事では、ミエル化ラボの下村さんと一緒に全5回にわたる気密測定の結果とリカバリーや漏気ポイントについて解説します。

▲ミエル化ラボの下村さん
ちなみに、今回調査していくオートン邸は、2024年6月に購入し7月入居の建売住宅です。初めてオートン邸を調査したのが10月だったので、入居してから3カ月の新築建売になります。しかし、夏をこえてみての感想は、

特に2階が暑く、エアコンの効きが良くないと感じたそうです。また、オートン邸にはロフトのような3階もありますが、夏はとてつもなく暑く立ち入れないほどだったようです。
気密性能に難がありそうなオートン邸がどのように変わっていくのか紹介していきます。
目次 [表示させる]
気密測定1回目:リカバリーなし
まずはリカバリーなどしないままオートン邸のC値を計測していきます。

結果はC値=2.7㎠/㎡。イエのサプリが高気密の基準にしているC値=1.0㎠/㎡を大きく下回る結果となっています。
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C値
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αA
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n値
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|
2.7㎠/㎡
|
209㎠
|
1.61
|
家中のスキマを合計した値であるαAも高く、数値だけ見ると10cm×20cmを超える穴が家に開いているのと同じ状態です。
オートン邸にあいているこのスキマを埋めるためにも、フォグマシンを使って具体的な位置を調査していきます。
気密測定2回目:浴槽の神業リカバリーで65㎠のスキマをカット
フォグマシンを床下に設置し煙を噴出すると、瞬く間に風呂場が大量の煙で埋まってしまいました。

お風呂場では浴槽の側面にセットされているエプロンと呼ばれる部分の下からの漏気が確認できました。

風速計で風量を測定すると全体で1㎥/Sを超えるスキマ風が確認でき、場所によっては2.27㎥/Sもの吹き込みが確認できました。

オートン邸では本来隠れているはずのパッキンが浴槽とエプロンの間からはみ出しており、パッキン自体が機能していない状態です。
5mm程度のスキマから外気だけではなく虫や水が入り込まないように、しっかりエプロンを嵌めこむ必要があります。

▲下村さんによる修繕。※あくまで専門家による対応ですので、真似しないでください。
嵌め込まれた後に風速計で風量を計測すると、2.27㎥/Sあったスキマ風も0.13㎥/Sと大幅な改善に成功しました。

大量のスキマ風が吹き込まなくなったところで、再度気密測定を行いました。結果は、C値=1.8㎠/㎡。

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C値
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αA
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n値
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|
1回目
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2.7㎠/㎡
|
209㎠
|
1.61
|
|
2回目
|
1.8㎠/㎡
|
144㎠
|
1.58
|
エプロンを嵌めこんだだけですが、1回目と比較してC値が0.9㎠/㎡も改善しているのがわかります。
気密測定3回目:分電盤を密閉!
浴槽のエプロン以外にもオートン邸のお風呂場・脱衣所には問題があります。それは、配線のせいでスキマができやすい分電盤です。
カバーを外し風速計を当ててみると、4.97㎥/Sとエプロンの時よりも高い数値が出てしまいました。

カバーで外気の吹き込みを防いでいても第一次気密層を突破した外気が間仕切り壁に流入し、画像のような石膏ボードの開口から室内に侵入します。

3回目の気密測定では養生テープで分電盤のスキマを塞ぎ、分電盤にある開口を塞いだ時のインパクトを確認します。結果は、C値=1.6㎠/㎡。

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C値
|
αA
|
n値
|
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1回目
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2.7㎠/㎡
|
209㎠
|
1.61
|
|
2回目
|
1.8㎠/㎡
|
144㎠
|
1.58
|
|
3回目
|
1.6㎠/㎡
|
127㎠
|
1.55
|
C値が1.6㎠/㎡と、2回目と比較して改善しているのがわかります。
気密リカバリーは養生テープでもできる?

養生テープによる目張りは一時的な処理ですが、C値がよくなるならこのままテープを貼ったままでもいいのでは?と思う方もいるでしょう。
しかし、分電盤のような電子機器は内部に熱がこもらないよう、上部のグリルから排熱されるような構造になっています。
養生テープで排熱グリルを塞いでしまうと不具合を招くことがあるので、注意が必要です。
また、養生テープは剥がすことを前提としたテープで気密部材ではありません。長期間同じ箇所に貼ったままにしていると粘着剤が劣化し十分な気密性能を維持できなくなったり、剥がした跡が残ったりと様々なリスクがあります。
気密処理をする場合は必ず気密部材を利用しましょう。
気密測定4回目:配管・配線に目張り処理
お風呂場以外にも家の中にはスイッチボックスやコンセントボックス、配管まわりなどスキマになりやすい場所があります。

- 玄関のスイッチボックス:2.27㎥/S
- コンセント:0.55㎥/S
- キッチンの配管まわり:0.32㎥/S
- インターホン:3.60㎥/S
一番風量が多いところでは、ティッシュがなびくほどのスキマ風が入り込んでいます。

4回目の気密測定では、スイッチボックスやコンセントボックス、配管まわりなどスキマ風が発生しやすい箇所を目張りし計測していきます。結果は、C値=1.4㎠/㎡。

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C値
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αA
|
n値
|
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1回目
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2.7㎠/㎡
|
209㎠
|
1.61
|
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2回目
|
1.8㎠/㎡
|
144㎠
|
1.58
|
|
3回目
|
1.6㎠/㎡
|
127㎠
|
1.55
|
|
4回目
|
1.4㎠/㎡
|
112㎠
|
1.47
|
1回目と比較するとすでに1.3㎠/㎡も気密性能が改善されています。この数値の変化により浴槽や分電盤、配線・配管まわりを塞ぐことで気密性能改善ができるという結果がわかります。
初回の気密性能はここまでとなり、5回目はミエル化ラボにより床下を含めた気密リカバリーが終わった後になります。
目標をC値1.0㎠/㎡と掲げる下村さんですが、5回目の気密性能でC値=1.0㎠/㎡を超えられるのでしょうか。
気密測定5回目:目標C値=1.0㎠/㎡!衝撃のリカバリーの結果とは
その後、行われたリカバリーでは、浴槽のエプロンや分電盤のスキマ、配管・配線まわりに加え、床下も徹底的にリカバリーされています。


▲左画像:リカバリー前。気密処理がなく、断熱材がただ押し込まれているだけ。右画像:リカバリー後。気密テープの上から断熱材を追加し、一液の発泡ウレタンで気密処理。
床下のリカバリー後、浴室などのリカバリーの途中で玄関ドアが徐々に重くなっていき、気密性能の変化を実感したそうです。
※気密性能が上がると室内が減圧状態になるため、玄関ドアを開けるとき外気圧にドアが押し付けられ少し重く感じます。
では、実際に行った5回目の気密測定の結果を発表します。

C値は目標の1.0㎠/㎡をクリア!!αAも82とかなり改善しています。
すべての家でこのような結果が得られるわけではありませんが、このくらい劇的に変化することもあるので、家のスキマはしっかり埋めるようにしましょう。
まとめ
オートン邸における気密測定の結果を一覧でまとめました。
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C値
|
αA
|
n値
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1回目
|
2.7㎠/㎡
|
209㎠
|
1.61
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2回目
|
1.8㎠/㎡
|
144㎠
|
1.58
|
|
3回目
|
1.6㎠/㎡
|
127㎠
|
1.55
|
|
4回目
|
1.4㎠/㎡
|
112㎠
|
1.47
|
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5回目
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1.0㎠/㎡
|
82㎠
|
1.38
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どこまで改善できるかは家によっても変わりますが、住んでいる家が寒くて仕方がないあるいは暑くて仕方がない人は、家の気密性能に問題がないか一度確認するのがおすすめです。
また、家の気密性能についてもっと詳しく知りたい人は、イエのサプリが投稿している動画やブログを参考にしてみてください。
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