24時間換気と気密の関係とは?スキマ風による自然換気のデメリットNJK BLOG

2021.09.09
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24時間換気と気密の関係とは?スキマ風による自然換気のデメリット

性能マニアが解説する24時間換気

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こんにちは、日本住環境 広報部(イエのサプリ編集部)です。

このブログでは良い家づくりに必要な情報を丁寧に解説していきます。

これから家を建てたいと考えている一般の方はもちろん、実際に家づくりに携わっている方にも「タメ」になる情報をお届けします。



快適で健康な家をつくるには、24時間365日、常にきれいな空気を家中に循環させる24時間換気が重要です。

さまざまな換気システムがありますが、しっかり換気するには最新の換気システムを導入すればいいというわけではありません。

器である家の気密性能が悪いと正常な換気が維持されず換気不足に陥ります。

換気と気密には深い関わりあり、一方の性能が悪いと家に不具合が発生したり、正常に機能しなくなったります。

今回は、換気と気密はどのように作用するのか、24時間換気を正常に稼働させるためには気密をどうすればいいのかについて、一歩踏み込んで紹介していきます

【目次】
1.換気はなぜするの?換気の目的
2.気密と換気の関係とは?スキマができやすい8つの箇所
 2-1.気密と換気の関係
 2-2.スキマができやすい8つの箇所
3.温度差・風力によるスキマからの自然換気量
 3-1.温度差によるスキマからの自然換気量
 3-2.風力と換気の種類によるスキマからの換気量
4.スキマから自然換気してしまうデメリット
 4-1.フィルターを通らないので汚い空気が入ってくる
 4-2.24時間換気が機能しなくなる
5.しっかり24時間換気する家をつくるための2つの測定
 5-1.C値(相当隙間面積)の測定
 5-2.換気ファンの換気量の測定
6.まとめ

気はなぜするの?換気の目的

人が生涯で摂取する物質の約57% は食べ物ではなく、室内空気です。
室内換気の重要性 生涯で摂取する物質の割合

そのため室内空気が汚れていれば、食事面で健康に気を使っていてもシックハウス症候群などの病気になってしまう可能性がありますし、湿気が家のなかでこもり結露やカビにつながります。

換気は汚れた室内の空気を排気し、新鮮な空気を取り込むことで、室内の空気を清潔に保ち人と家の健康を維持することが目的です。

密と換気の関係とは?スキマができやすい8つの箇所

快適な室内空間をつくるには4つの条件を満たす必要があります。
快適なくらしをつくる4つの条件

住宅性能と住まい方のどちらか一方が欠けてしまうと、健康を害したり家に不具合が発生したりします

ここでは、気密と換気の関係について紹介します。

密と換気の関係

気密にはスキマ風を防止する役割があり、24時間換気を維持する上でとても大切になります。

家のスキマ面積が大きくなればなるほど不規則に空気が入り込み、正しい入口である給気口からの給気量の割合が少なくなるからです。
気密性能と給気口の関係

例えば、C値5.0㎠/㎡の家のトイレに100㎥/h排気する換気システムが設置してあった場合、本来は給気口から100㎥/h入り設計されたルートを通り排気されます。

しかし、スキマが多い家ではスキマから85㎥/h入り、本来の入口である給気口からは15㎥/hしか入りません

また、入ってきた空気も全部排気口から出るわけではなく、近くのスキマからでてしまうこともあります。

給気した風が計画通りに移動してくれないため、部分的な換気しか行われずトイレであればいつまでも臭いが残ったりこもったりする原因になります。

キマができやすい8つの箇所

C値は0㎠/㎡に近づくほど高気密になりますが、スキマがゼロという家はありません

コンクリート住宅でも窓サッシや配管部分などに小さなスキマが発生しています。

木造住宅ではスキマができやすく、よく発見される場所はおおまかに8つです。
躯体内の気流 スキマができやすい場所

④の下屋(1階の天井付近)はスキマができやすいため、重点的に確認しましょう。

もし、スキマを発見したら、埋めるなどの処理が必要です。

スキマの場所によって処理の方法が変わってきますので、家を建ててくれた工務店に一度相談してみてください。

度差・風力によるスキマからの自然換気量

スキマから不規則に出入りする風は漏気(ろうき)と呼ばれ、外部の温度や風力によって給排気量が変わります。

ここでは、温度差や風力による換気量の変化についてみていきましょう。

度差によるスキマからの自然換気量

室内外の温度差が広ければ広いほど、気密の悪い家では自然換気の回数が増えます。

例えば、外気が0℃で室内が20℃の場合、C値が1.0㎠/㎡(0.07回/h)と5.0㎠/㎡(0.33回/h)の家では、スキマ換気回数に約0.26回/hも多く行われます
室内外の温度差による自然換気

0.26回/hは、壁掛けのパイプファン1.5個分に匹敵し、5.0㎠/㎡の家ではそれだけ多く換気してしまいます。

気づかないうちにどんどん換気され、室内の気温が保てなくなることで冬は寒く夏は暑い家になってしまうのです。

力と換気の種類によるスキマからの換気量

風力や換気システムの種類(第1種換気・第3種換気)によっても、スキマからの換気量が変わってきます。

第1種換気とは、給気と排気の両方を機械で行う換気システムで、第3種換気とは排気には機械を利用し、排気の際に発生する力で自然給気する換気システムです。

【換気システムについて詳しくは「24時間換気マスターへの道!換気の種類をおさらいしよう」の動画がおすすめ】

例えば、風速2.5~3.0m/秒の場合、C値が5㎠/㎡と気密の悪い家の第1種換気では、建築基準法で定める必要換気回数0.5回/hを超える0.60回/h勝手に換気します

下の表をみると第3種換気も0.5回/hに近い0.48回/h、勝手に換気してしまうようです。

風による自然換気

数値だけみると建築基準法と同じ回数ですが、スキマからの自然換気と計画換気はまったくの別ものです。

スキマから入った空気は、壁のなかをはしり小屋裏や下屋に流れ、室内にまったく入らないことも珍しくありません。

外の空気が壁内に走ると室内との温度差で結露ができたり、湿気が上手く排出されず断熱材の劣化を招いたりします。

こいのぼりが45°くらいに傾く程度の風(風速6.0m/秒)がふくと、C値5.0㎠/㎡の家では、第1種換気・第3種換気ともに1.4回/h以上になり建築基準法で認められている0.5回/hの約3倍にのぼります。

1.4回/h~1.5回/hを分かりやすく表現すると、トイレなどにあるパイプファン9個分です。9個のパイプファンから入ってきた風は、家や壁のなかを縦横無尽にはしっていきます。

大量のスキマ風が壁内を巡るため、結露しやすく壁に触れると冷たい家になってしまうでしょう。

キマから自然換気してしまうデメリット

「スキマから自然換気できるなら、別にいいのではないか」「24時間換気はうるさいから止めてもいいんじゃないか」といった質問もありますが、これは誤解です。

ここでは、スキマからの自然換気に関するデメリットについて紹介します。

ィルターを通らないので汚い空気が入ってくる

給気口に設置されているフィルターは、メーカーによって特長が異なりますが、細かい物質をキャッチできる性能の高いものも珍しくありません。

そのため、給気口を通って入った空気は、砂塵やホコリなどの汚れが自動的に除去され、新鮮な空気だけの取り入れが可能です。

一方で、スキマから入った空気はフィルターを通らないため、結露でカビが発生した壁を通って入ってきたり、床のスキマから床下にたまったホコリごと入ってくることもあります。

また、シロアリ対策に薬剤を使っていた家では、防蟻薬を含んだ空気を日常的に取り込むことになりかねません。

このようなスキマ風に含まれるよごれが原因でシックハウス症候群やアレルギーを発症してしまう人もいます

24時間換気が機能しなくなる

どの家でも家を建てる際に換気設計が行われます。

なので、高気密の家では設計通りに空気が流れ、換気システムのメンテナンスさえ行っていれば、換気不足になることはありません。

一方で、気密のとれていない家では「中性帯」という暖かい空気と冷たい空気の境界線ができます。

中性帯の発生している家の換気経路 

中性帯より上では外に出ようとする力が働きます。

本来であれば、給気口から入った空気は対面の排気口に汚れた空気とともに排出されるのが通常です。

しかし、中性帯ができている住宅の場合、入ってきた空気が対面の排気口へ行かず、近くのスキマや排気口から排出されるため、空気の出入りがあっても換気不足に陥る可能性があります。

また、スキマから勝手に換気されてしまうため、換気経路がめちゃくちゃになり、24時間換気が機能しません

っかり24時間換気する家をつくるための2つの測定 

しっかり24時間換気をする家をつくるには、引き渡し前にC値と取りつけられた換気システムが換気設計の数値通り、給排気しているか確認することがポイントです。

C値も換気量も、目安値や目標値は決まっていても、実際の数値については建てた後に実測するしか確認方法がありません

ここではどのように確認していけばいいのかについて紹介します。

C値(相当隙間面積)の測定 

気密は、気密測定器という専用の機材を使用して測定していきます。

この測定は誰でもできるわけではなく、資格(気密測定技能者)を持ち事業所登録された人のみが行なえますので、工務店さんにご確認ください。

測定では、有資格者がJIS (日本産業規格)の基準に基づき、減圧方法で計測していきます。

減圧方法とは、家のなかから空気を出しそれによって発生する家のなかと外の圧力差を計測し、計算によってスキマの総面積を算出する方法です。

計測では、下の写真のようなJIS基準の強力なファンで、空気を外に出していきます。
気密測定の方法・道具

少し大掛かりな測定ですが、準備や片付けを含めると1時間ほどで終わり、測定後はレシートが発行されます。

家のなかのスキマを合計した数値(αA)を1階2階の床面積(S)で割ったものが、C値として出てきます。

気密測定は基本的に、引き渡し前のほぼ完成状態で測るのがルールですが、断熱気密層が完成したタイミングで計測する中間測定というものもあります。

中間測定のメリットは、万が一約束していたC値に達していなかった場合、手直しがしやすいところです。契約時にC値を1.0㎠/㎡以下にすると約束していたとしても、施工中のちょっとしたミスや見逃しなどで、数値が悪くなることも珍しくありません。

完成間際に計測した時、そのようなことが発覚すると手直しが大変で、場所によってはできないこともあります

なので、工務店に相談し、できるだけ中間測定を行ってもらうようにしましょう。

気ファンの換気量の測定 

換気量は、風量測定器などを使用し、必要換気量に対し実数はどうかを確認していきます。

工務店に依頼すれば、計測し測定報告書にまとめてもらうことができますので、気密測定と一緒に相談してみてください。

とめ

24時間換気を正常に稼働させるには、最新の換気システムを設置するだけではいけません。

スキマを埋め、C値1.0㎠/㎡以下を目指し、家の気密を改善していくことが重要です。

工務店に相談すれば、気密測定も換気量の測定も行ってもらえますので、チェックをおすすめします。

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