【ローコスト/建売を検討中の方必見】都内に良くある建売住宅の性能を丸裸にしてみた】
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建売住宅を購入する際、内装や立地条件だけではなく、気密性や断熱性などの住宅性能をよく確認しておかないと、
住んでから後悔してしまうかもしれません。
気密性が低く断熱処理が適切に行われていないと、クロスや天井のキワにスキマができ、
年中スキマ風が入ってくる寒い家になってしまうだけでなく、
結露によるカビの発生など生活空間が不衛生になってしまいます。
建売住宅の購入で後悔しないためには、どのように選べばいいのでしょうか。
今回は都内に良くある建売住宅の住宅性能の検証結果をもとに、後悔しない建売住宅を購入する3つのチェックポイントを紹介します。
建売住宅の購入に後悔する気密・断熱トラブル例
都内に良くある建売住宅の性能を検証した結果、さまざまな気密・断熱トラブルが発生していることがわかりました。
ここでは、検証結果を参考に、トラブル例を紹介します。
家中にスキマ風が入り込んでしまっていた
建売住宅が引き渡される際、壁はクロスで覆われているため、わかりやすいスキマは、コンセントかスイッチボックスしかありません。
なので「
スキマのないしっかり気密・断熱処理された家」と思いがちですが、専用の計測器を使い細かくチェックしてみると
スキマだらけという結果になることもあります。
今回検証した建売住宅は、天井にある点検口に気密パッキンがついておらず、大量のスキマ風が入り込んでいます。

※風速0.16~0.21m/sの風が入りこんできています。この日の外の平均風速は0.4m/sです。
この他にも
幅木や天井と壁の取り合いなど至るところからスキマが発生しており、家中のスキマを合計すると
約 16㎝角(C値=2.5㎠/㎡) の穴に相当するスキマがあると判明しました。
ひとつひとつは小さいスキマでも、すべて合わせると家に大きな穴を開けてしまいます。
家のスキマが多く3階と1階で約20℃の温度差が出てしまった
スキマの多い家では、南向きの部屋でも最上階の天井付近の温度と1階の床部分の温度に、
約20℃くらいの開きが発生してしまいます。

(3F天井付近:30.8℃、1階床付近:10.4℃)
これは、1階のスキマからどんどん冷気が入り、暖まった空気が上から出ていってしまうからです。スキマが多ければ多いほど、このような空気の循環が繰り返され、
年中足元が寒い・エアコンが効きにくいなどの不具合を引き起こします。
断熱材がめくれ上がって断熱欠損が発生してしまった
断熱材は
スキマなく一律に敷き詰められ、断熱と防湿気密が連続して施工されていることが重要です。
しかし、断熱材が上手く敷きこまれていないなど施工の不備があると、
断熱欠損が発生し断熱効果が得られません。

※断熱欠損が発生し、日中なのに3階の一部の天井は極端に青い(青い部分は温度が低い)
断熱欠損があると室内を寒くさせるだけではなく、
温度差を生じさせ壁内の結露を招きます。
建売住宅で後悔しないための3つのチェックポイント
すべての建売住宅で気密性や断熱性に問題が発生しているわけではありません。住宅性能の良い建売住宅を購入するには、契約前に
構造見学会などでここで紹介する3つのポイントをチェックしましょう。
①構造見学会でスキマになりやすい場所を必ずチェック
家には、スキマが発生しやすい部分があります。
- 天井のキワ
- 点検口
- 分電盤
- 外壁周りの幅木
- コンセント/スイッチボックス
- ダウンライトの周り
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この6つの部分に対しどのような気密処理がされているのかをチェックしましょう。
気密シートにしわやたるみがなく、壁に穴が開く部分や配線によりスキマができてしまう部分は、
気密部材などによって処理されていることがポイントです。
完成見学会だと壁紙やクロスで覆われてしまうので、上記のポイントがわからなくなってしまいます。ですので構造見学会でのチェックが必須となります。
なお、ビニールクロスは気密部材ではありませんので、「
ビニールクロスをしているから気密は大丈夫」と誤解しないように注意しましょう。
②窓のサッシの素材をチェック
窓は熱の出入りが最も大きく、スキマ風も発生しやすいため、断熱性や気密性を高める上で窓性能は非常に重要です。
窓性能を上げるには、断熱性が優れており熱伝導率の低い樹脂サッシを使用することをおすすめします。

サッシの素材を変えるだけでも大きく違いますので、建売住宅を見る際は窓のサッシの素材にも注目しましょう。
③中間・完成の気密測定でC値が1.0㎠/㎡以下になっているか
家の気密性能はあらかじめ決めることができず、一棟ずつ測定しなければ数値が出てきません。
そのため、中間(断熱気密層が完成した時点)もしくは完成した際に気密測定を行ってもらいましょう(
できれば2回行うことがおすすめです)。
中間で行えば正確なスキマの位置が特定でき手直しもできるため、気密性能を向上させることができます。
気密測定では専用の機械を使用し計測していきます。割り出された気密性の値をC値と呼び、
C値は0に近いほど理想とされ、C値=1.0㎠/㎡を切るくらいの住宅であれば気密性が良い住宅とされています。
経年などを考え
C値=0.5㎠/㎡を目標とするとなお安心できます。
気密測定をしてほしい場合、工務店もしくは現地見学で対応してくれるスタッフに相談してみましょう。
性能の高い建売住宅を購入する秘訣
快適で衛生的な家に住むには、
高気密・高断熱など性能の良い家を選ぶことがポイントです。
最後にそんな高性能な建売住宅を購入する秘訣を紹介します。
初期投資(イニシャルコスト)を削減しすぎない
初期投資をできるだけ少なくすることで、一時的な支払い額を減額できますが、低気密・低断熱の建売住宅に住んでしまうと、住んだ後の冷暖房費などの出費がかさみ、かえって総額が高くなってしまう可能性があります。
また、購入後に不具合を解消させようとすると、大掛かりなリフォームが必要になってしまうため、
初期投資で削った以上の支払いが発生しかねません。
初期投資の削減により気密性や断熱性を下げないようにすることが性能の良い家を購入するポイントです。
構造見学会へ参加する
性能のよい建売住宅を購入したいのであれば、契約前に建売住宅に携わった
工務店の構造見学会に参加しましょう。
構造見学会に参加できるタイミングは複数ありますが、
断熱と気密層の施工が終わった段階で見学するのがポイントです。
このタイミングで見学させてもらうことで、断熱材や気密材が丁寧に処理されているかが確認できます。構造見学会でチェックすべきポイントは以下の動画を参考にしてみてください。
手頃で購入しやすい建売住宅ですが、住宅の性能を確認したうえで選ばないと、冬は寒く夏は暑いだけでなく、結露やカビが発生する居心地の悪い家になってしまうでしょう。
建売住宅を購入する際は、ぜひ今回のブログで紹介した3つのチェックポイントを参考にしてみてください。
①構造見学会でスキマになりやすい場所を必ずチェック
②窓のサッシの素材をチェック
③中間・完成の気密測定でC値が1.0㎠/㎡以下になっているか
快適で長く住める建売住宅に出会えることを願っています。
「イエのサプリ」では気密や断熱、換気など住宅性能に関する情報を動画でも配信していますので、家の購入やリフォームを考えているのであれば、ぜひ参考にしてみてください。
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