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2021.03.01
お役立ち情報
高気密住宅の誤解を解消!
こんにちは、日本住環境 広報部です。


当ブログやチャンネル動画では「気密」の重要性に触れてきましたが、
建築業界の中では「気密はデメリットばかり」なんて異を唱える人も少なくありません。

今回はそんな気密のデメリット意見の中からよく言われている4つの意見の真偽について

解説していきたいと思います。

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【今回の内容】

・Q1.高気密住宅は息苦しい?
・Q2.高気密住宅がシックハウス症候群を引き起こす?
・Q3.断熱材さえあれば暖かい家になる?
・Q4.気密は木材を腐らせる?
・気密って本当にデメリットばかり?





Q1.高気密住宅は息苦しい?

 

高気密住宅はスキマが少なく空気の出入りが少ないのがメリットです。
でも逆に言えば外の新鮮な空気を家の中に取り入れられないとも考えられますよね。

もちろん高気密住宅でも窓や換気扇はついていますから空気の入れ替えはできますが、
雨が続いていたり、うっかり換気をするのを忘れると窒息してしまいそうですね。


一見理屈は通っていそうですが実際はどうなのでしょうか?




A1.高気密住宅で窒息するなんてことはあり得ません
高気密住宅と聞くと、完全密閉と勘違いしている人も多いようですが
そうではありません。


わかりやすい例をあげます。

このブログの読者の皆さんの中にも

マンションに住んでいる人がいるかと思います。



あるいはマンションに住んでいる友人のところに遊びに行ったことはありませんか?

実はマンションって高気密物件でC値が1.0㎠/㎡以下のところが多く、
新築ではC値0.5㎠/㎡以下なんて物件もたくさんあります。

マンションの中で「息苦しかった」「窒息しそうになった」なんて経験したことがありますか?
「マンションで換気を忘れて窒息する」なんて事件が起これば
世間ではたちまち話題になりそうですが、
そんなニュースを私は見たことがありません。

また、現在戸建てでもマンションでも24時間換気の設置は義務付けられています。
24時間換気が常に新鮮な空気を外から取り入れていますので、
窒息してしまうなんてことはありません。




Q2.高気密住宅がシックハウス症候群を引き起こす?


 
シックハウス症候群とは家具や建材に使われている、
化学物質を長時間吸い込むことで頭痛やめまいなどの症状が出ることです。
高気密住宅は家の中の空気が停滞するから化学物質が家の中に充満
シックハウス症候群になりやすいという意見です。

もし本当なら怖くて高気密住宅に住めないですが実際はどうなのでしょうか?
 


  
A2.24時間換気がついているから大丈夫!気密性能は換気にも影響を及ぼします
 

シックハウス症候群の対策で重要なのが先ほどの項目でも触れた24時間換気です。
24時間換気でシックハウス症候群の原因となる化学物質を
外に排出できるため健康に過ごすことができます。


この24時間換気に「気密性能」が大きく関わってきます。
「気密」と「換気」ってあまり関係がなさそうですが実は大きく関係しています。

24時間換気は「給気口」と「排気口」があり、
家の形や作りに合わせて効率的に換気ができるように、
「換気経路」が計画されて取付けられています。

この計算がしっかりできていないと、
家の中で換気されない部分が出てしまいます。

24時間換気は計画通りに換気することで、家の空気が常に新鮮になっているわけです。


ところがこの「換気経路」ですが、気密性能が悪い家だと
しっかりと
計画通りの換気をしてくれません。

 

上のグラフは気密性能と「給気口からの給気の割合」を表しています。
この「給気口からの給気の割合」とは、
言い換えれば「換気経路の計画通りの給気」
という事になります。

グラフを見るとC値5.0㎠/㎡の家だと約17%程度しか給気口から給気していないことがわかります。

残りの83%は一体どこから給気しているのでしょうか?

答えは家中のスキマから侵入するスキマ風です。
せっかく計画した「換気経路」ですが、住宅のいたる所にスキマがあると計画通りに換気ができません。

これでは何のための24時間換気かわからなくなってしまいますね。
そのため家の中の空気を計画通りに換気するには気密性の高い家にする必要があります。



Q3.断熱材さえあれば暖かい家になる?

 

確かに断熱材さえあればよさそうですよね。
もしこれが本当ならわざわざ気密の施工なんてする必要はありません。

また断熱材のメーカーによっては、断熱材で湿度の調整ができるというメーカーもあります。
断熱材が湿度を調整してくれるのに、気密シートを張ったら邪魔してしまいそうですよね? 


A3.断熱と気密はセットで考える
断熱材はよく布団に例えられています。
布団に入れば暖かいですが、穴だらけの布団だと寒いですよね?

気密のない断熱材はそれに近い状態と言えます。

断熱材は空気を閉じ込めて断熱しているものですが、
壁の中をスキマ風が通るとその空気が動いて断熱性能がなくなってしまいます。
つまり気密シートでスキマ風に弱い繊維系断熱材を覆って、
断熱材をスキマ風から守る必要があります。



また調湿効果というものもあるにはあるのですが、湿度は調整できてもスキマ風には無力です。

つまり断熱材をいくら厚くしても、気密が取れていなければ暖かい家を作れないという事です。
また気密していない断熱材はもっと恐ろしいことになってしまうのですが…



Q4.気密は木材を腐らせる?

 

伝統的木造建築物は、風通しがよく木材が十分に乾燥しているから丈夫で現存しています。

「木材が呼吸する」なんて表現も使われています。

ですが、気密シートで木材を覆ってしまったら木材が空気に晒されないので
腐ってしまうのではないでしょうか?


 
A4.逆に気密をしないと木材が腐る
気密シートには2つの役割があります。
隙間風を止める「エアバリア」
水蒸気の侵入を遅らせる「ベーパーディフージョンリターダー」の2つです。

気密シートはこの2つの役割で木材を守っています。
歴史的建造物などは確かに風通りがよく現在でも腐らずに残っていますが、寒いですよね?

対して現代の家とは違って断熱材は入っていません。
現代の家の壁では気密層・断熱層・通気層(断熱材の外側の空気の層)が
セットで作られています。




気密も通気層もなく断熱材だけだと壁の中で結露が発生してしまいます。

結露なんて聞いても冬の窓を思い浮かべて
「ちょっと濡れるだけじゃん」と思ってしまうかもしれません。


しかし過去にこの結露で家が腐って床が抜けてしまう
「ナミダタケ事件」という事件がありました。

 

当時は「省エネルギー基準」がスタートして断熱材「だけ」をたくさん入れていました。
このせいで壁の中・床の下で多量の結露が発生してしまいナミダタケを含む腐朽菌が繁殖。
壁や床の木材が腐ってしまいました。

つまり現代の快適で温かい家を建てるには断熱材が必要で、
しかし断熱材だけでは木材が腐ってしまうので気密が必要というわけです。




気密って本当にデメリットばかり?

気密反対意見を4つ見てきました。
どの質問も一見すると筋が通っているように見えましたが紐解いていくと、
むしろ気密の重要性がわかるものでしたね。

でもこういった理由で気密に反対する工務店やハウスメーカーは結構多いことも事実です。

気密の反対意見は他にもたくさんありますが、今回のように誤解という事も多々あります。
皆さんも気密についての正しい知識を身につけて、納得のいく家づくりをしてくださいね。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。